発達障害の中でも受動型の子供の場合、一見適応しているように見えます。
だから、困り感はあまりないように見られやすいです。
でも、本当は違います。
発達障害の受動型の子供に合った対応をしなければ、大人になって仕事をすると困ることがたくさん出てきます。
騙されることもあるでしょう。
今回は、発達障害の受動型の子供の親が気を付けるべき育て方について紹介します。
目次
1 発達障害の受動型の子供
発達障害の受動型の子供というのは、基本的に、「自分のことがよく分からない」が大きな軸としてあります。
自分の気持ちや感情や思いがピンとこず、頭の中が真っ白のように思えるようです。
本当は、自分の感情も気持ちや思いはしっかりあるのですが、そこにアクセスするのに時間がかかるようです。
そのために、じっくりゆっくり掘り下げると、自分の感情や気持ちや思いにたどり着けるのですが、それをするのは結構な労力が必要です。
そのため、人がいる場所、集団の中では、周りが気になり、自分自身にアクセスすることができません。
そうして、受け身になり、指示されたり、やることがはっきりしていたり、周りの真似をしている方が楽でもあり、上手くいくので、どんどん過剰適応していきます。
言われたことはでき、周りの真似をして動くことができるので、発達障害の中でも、受動型の子は、問題ないと思われやすいです。
また、実は発達障害の受動型でも、真面目なおとなしい子と思われ、中々支援に結びつかないことも多いです。
受動型の子は、ただ表に出ないだけで、発達の凸凹はあります。
発達のアンバランスさを持っています。
表に出ない分、周りから本当の姿を理解されないので、発達障害の特性が改善されないまま成長してしまうことも多いです。
そうして、大人になって社会人になった時に、今までのやり方が通用しなかったり、騙されたり、無理に無理を重ねて精神疾患になったりしてしまうこともあります。
実は表に出ない分、こじらせやすい発達障害の受動型の子供は、早い内に親や周りが気付いてあげることが大切です。
2 発達障害の受動型の子供の具体的な特徴とは
発達障害の受動型の子供の特徴は、
- 周りに合わせすぎる(過剰適応)
- 観察力はある
- 自己主張が苦手(自己主張の自己が分からない)
- 分からないが分からない
- しんどくてもしんどいと感じにくい
- 普通ならストレスを感じることも感じないように見える(ストレスに打たれ鈍い)
- 我慢強い
- あまり深く考えない
- 自分から話しかけることが苦手
- 誘われると遊ぶ
- 人目が気になる
- 嫌われたくないという気持ちが強い
- 指示されないとどうすれば良いか分からない
- どう答えたら良いのか分からず黙ってしまう
- 文章で話すことが苦手(単語で返答)
- 自分のことを話す時にとても困る
- 学校では問題ないが、家での癇癪や態度がひどい
- 自分の困り感が分からない
- 依存できる人が入れば、思い切り依存する
- 主体性がなく、決めるのが苦手
- 主張がないので優しい子だと思われやすい
- 何があっても少し経てば、何事もなかったかのようにケロッとしている
- 人への関心が薄い
といったような特徴があります。
3 発達障害の受動型の子供の育て方で親が気を付けること
1 線引きをする
発達障害の受動型というのは、自分自身のことがよく分からず、不安定です。
その不安定さを解消するために、依存できる人がいれば自分の足で立たずに依存しやすいです。
何でも自分のためにやってくれる人だと、特に「この人がいれば大丈夫・安心」と思い、自分の頭で考えなくなります。
また、自他の境界線もあいまいなため、親と自分を混合しがちです。
だから、「自分とあなたは別の人間である」ということを実感できるように、親がしっかり自分の足で立って、発達障害の子供との線引き、境界線を作ってあげないといけません。
そうでないと、発達障害の受動型の子供は、ますます自分自身に目を向けれなくなり、自分が分からない状態がひどくなります。
2 気を利かせ過ぎない
発達障害の受動型の子供は、言葉で伝えることも苦手です。
自分自身のことを聞いても、一言しか返さなかったり、返事も簡単なことしか返せないことも多いです。
言葉で表すのが苦手な子供を持つと、親はついつい気持ちを汲んで動いてあげがちです。
その行為は、親の優しさからくるものですが、発達障害の受動型の子供にとっては、逆効果になってしまいやすいです。
言葉でちゃんと伝えなくても周りが動いてくれる経験を重ねると、発達障害の受動型の子供は、言わなくても伝わるような気になってしまいます。
また、言わなきゃ(自分で行動を起こす)始まらないと実感できず、ますます受け身になってしまいます。
だから、親は気を利かせ過ぎず、むしろ、気が利かない親になった方が発達障害の受動型の子供のためになります。
自分で言うように促し、それから動くように心がけます。
家庭で自分で言う(自分で行動を起こす)練習をしましょう。
3 根気よくその都度説明をする
発達障害の受動型の子供が、周りに合わせてばかりになるのは、自分のことが分からないだけでなく、起こった出来事や状況がよく分からないせいもあります。
分からないものが多すぎて、どうしたら良いのか判断できず、結果、周りの真似をすれば間違いないと思ってしまいます。
だから、知識を積み上げてあげると、判断基準の材料ができるので、不安になって周りの。真似をしたり過剰適応せずにすみます。
かなり根気がいりますが、1つ1つ丁寧にその都度説明してあげましょう。
発達障害の受動型の子供は、基本的に人への関心が薄いので、観察力はあるのですが、思ったよりも気付いていないことは多いです。
状況説明、多くの人が取る行動や感情とその理由を説明します。
特に「理由」は大切です。
なぜそうなるのか、なぜそう思うのか、といった「理由」が積み重なり、材料が多くなると、結びついて使いこなせるようになります。
また、知識が積み重なることで、分かることが増えるので、人がいる場所でも不安感が少なくなります。
そうすれば、自分のことに目を向ける余裕もできます。
4 自分の気持ちに向き合わせてあげる
発達障害の受動型の子供は、自分に向き合うことが苦手です。
自分の感情や考え、思いを見つめるために脳を動かすのが、中々しんどいようです。
脳の回路の中で、感情などを司る所へのアクセスが上手くいっていない感じです。
ただ、感情が分かりにくいだけで、実はいろいろ感じていることはあります。
感情にアクセスしにくく、実感が持てないだけです。
そのため、感情を外に出すことができません。
感情が外に出せないと、ストレスが体に出たり、心身症や精神疾患になってしまう危険があります。
自分自身に向き合う練習をさせましょう。
自分自身に向き合う練習は、子供なので親子で交換日記するのがおすすめです。
最近は、交換日記専用のノートも売っています。
親子でやれば、遊びのような感じになるので楽しく自分と向き合えます。
交換日記の中で、内面に触れる質問をすれば、それに答えるために、自分の心を見つめることができます。
そうやって、少しづつ自分に向き合えるようにしてあげましょう。
※発達障害の子供の過剰適応が気になる人は、こちらの記事もお読みください。
発達障害の子供の過剰適応を治すためにしている4つのこと最後に
発達障害の中でも、受動型の子供は、周りから見れば大丈夫なように思われ、中々困り感が分かってもらいにくいです。
そのために、親は孤独を感じたり、どうしてあげれば良いのか分からず困ってしまいまいがちです。
発達障害の受動型の子供は、言わなきゃ分からずスルーしてしまい、積み上りませんが、言えば知識はしっかり積み上がります。
言わなきゃ分かりませんが、言えば確実にモノにしていきます。
そうしてしっかり線引きして、自他の区別がつき、自分は大丈夫だという経験を積めば、社会に出た時には真面目で一生懸命仕事をして信頼できる人になりますよ。
根気がいる子育てではありますが、じわじわと結果はついてくるので、心配しすぎないでくださいね。
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