小学校で、クラスの保護者に子供の発達障害のことをカミングアウトする方が良いのか、しない方が良いのか・・・とても迷いますよね。
どうすれば良いのか、まずは子供の状態を見ながら、カミングアウトするメリット、反対のデメリットやリスク、カミングアウトするのなら上手な伝え方について紹介します。
目次
1 発達障害の子供の状態は?
まずは、発達障害の子供の状態を見ます。
他害がありますか?
授業中の離席など、授業の妨害になる行動がありますか?
他の子供から責められたりすることが多いですか?
この3つの状態があるなら、カミングアウトした方が良いと思います。
悪意はなく、特性ゆえにしてしまう行動でも、迷惑をかけてしまっている状態ですと残念ながら他の保護者の間でも噂になってしまっていることが多いです。
小学生になると他の保護者と会う機会も少ないです。
そのため、ママたち保護者間で噂になり、「クラスに問題児がいる」という形でとらえられてしまいます。
子供だけではありません、もしクラスで迷惑をかける言動がある場合、周りの保護者は親への目が厳しくなりやすいです。
親が対処しているのかどうか。
発達障害の知識がないと、子供の行動はしつけがちゃんとできていないせいだ。
責任は親にあると考える人は多いです。
そのため、ひどい場合は親子で避けられる状態になってしまいます。
子供を守るため、あなた自身を守るためにも、放置しているのではない、対処しているということを示すことが大切になります。
他害や授業の妨害、クラスで責められることがない場合、カミングアウトした方が良いのかしない方が良いのかはメリットとリスク&デメリットを比較して、どうするか決めるのが一番です。
2 発達障害をカミングアウトするメリット
・これまで「わがまま」や「自分勝手」「努力不足」「頑張っていない」「しつけがされていない」と思われていた行動が、そうではなかったと理解してもらえる。
・大変だけど頑張っていることが伝わり、協力してくれる人や共感してくれる人が出てくる。
・困った時やトラブルが起こった時に助けてもらえる可能性がある。
3 発達障害をカミングアウトするリスクとデメリット
・みんながちゃんと理解するとは限らない。
・偏見の目で見られることがある。
・差別を受けることがある。
カミングアウトのメリットとリスク&デメリット、比べてみても迷いますよね。
カミングアウトすると、理解してくれる人も出てきますが、偏見の目で見る人も出てきます。
いろんな人がいるので、伝わり方、受け止め方もその人自身によるので、自分が思ったように伝わるとは限りません。
そのせいで、話した人全員に理解してもらうことはできません。
でも、カミングアウトした人は、理解してくれる人が誰かよく分かり、そういう人に出会えたことが一番良かったと感じることが多いです。
理解者がいると孤立しやすい発達障害の子育ての心の支えにもなりますよね。
4 発達障害のカミングアウト、保護者懇談会での上手な伝え方は?
もし、カミングアウトする、クラスの保護者に伝えようというのなら、まずは担任の先生に相談するのが良いです。
学校で過ごす子供の様子とクラスメイトについて一番良く分かっているのは、担任の先生です。
だから、先生の意見を聞くことは大切です。
保護者にカミングアウトする場合、懇談会が多いです。
懇談会は先生も同席するので、なおさら、先に相談しておくと先生からフォローの言葉を入れてくれたり、事前にフォローをお願いすることもできます。
また逆にそういった相談なしに、突然カミングアウトすると、先生もビックリするかもしれません。
子供の学校生活は先生との協力が欠かせないので、よっぽど信用できない担任の先生でない限りは、先に相談をしておくことがおすすめです。
伝え方ですが、「発達障害」や「自閉症スペクトラム」「ADHD」など、障害名を出すのはやめたほうが良いです。
最近は発達障害のことについてテレビでやっていたりするので、知っている人は以前よりも増えましたが、それでも、ちゃんと知っている人は少ないです。
知っていたとしても、中途半端な知識で、誤解していることがあるかもしれません。
障害名のインパクトは結構大きく、あまり知らない人が聞くと、「なんか病気なんだね、大変そう」と漠然と思ったり、聞いたところで一体どうすれば良いのか分からず、戸惑う人も多いです。
また、障害名でカミングアウトすると、まだ子供に発達障害のことを告知していない場合、他の子供から障害名を耳にしてしまうかもしれません。
障害名を聞いた親が家で子供に話し、その子供を経由して、あなたの子供に障害名を告げられる可能性が出てしまいます。
そうなると、大変です。子供はショックを受けるでしょう。
障害名をネガティブに伝えられてしまうと、子供は傷つき、混乱してしまいます。
だから、障害名ではなく、特性について話します。
例えば・・・
・「衝動的で、考える前に行動してしまうことがあります。」
・「大きな声が苦手で、時々パニックになってしまいます。」
・「予定が変更することが苦手でパニックになり、固まってしまうことがあります」
・「気持ちが高ぶると、乱暴な行動をしてしまうことがあります」
・「緊張しやすく、みんなの前で発言するのことや急な質問が苦手で、何も言えなくなってしまいます。」
など、特性の部分について話します。
そして、それに親子で対処していること、努力していることを伝えます。
そうしないと、迷惑をかけているのに何もしない親、放置している親、だから許せってこと?と反感をかったり、あまり良く思われないことが多いです。
例えば・・・
・「行動改善のために、トレーニング受けています。」
・「少しでも改善できるよう、専門家に相談しています。」
と伝えると、放置せずちゃんと対応できる親だと安心してもらえます。
そして、
「ご迷惑おかけすることがありますが、申し訳ありません。何かありましたらすぐに言ってください」
と伝えると、気持ちがしっかり伝わります。
温かい目で見てくれる人が出てきたり、協力してくれる人も出てきます。
最後は笑顔で、
「長いお話を聞いてくださり、ありがとうございました。親子共々、このクラスでみなさんと楽しい学校生活が送れることを願っています。どうかよろしくお願いいたします。」
と伝えると、前向きに終わることができます。
最後に
もし、カミングアウトすると決めたのなら、頑張ってくださいね。
子供の発達障害についてのカミングアウト、懇談会の場で言うとなると、とても緊張すると思います。
子供への思いや辛い気持ちが湧き出て、言葉が詰まったり、泣きそうになるかもしれません。
話すことを紙に書いて準備しておくと、言葉に詰まった時に安心ですよ。
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