「3人以上になると話せない」
「大勢の雑談が苦手」
「1対1なら話せるのに」
「3人以上(集団)の時、どうすれば良い?」
こんな悩みにお答えします。
・本記事の内容
・発達障害の子(人)が3人以上話せない理由
・発達障害での子(人)で3人以上話せない場合の対策
・会話ができるようになるおすすめの本
発達障害の子(人)で、3人以上の会話が苦手なことが多いです。
1対1、2人での会話なら大丈夫なのに、1人増えただけでもどうすれば良いのか分からなくて居心地が悪くなってしまう。
ストレスですよね。
3人以上話せない理由と対策が分かれば、気持ちが軽くなって3人以上の集団にいても、今よりも居心地悪く感じなくなりますよ。
では、3人以上話せない理由と対策について紹介していきます。
目次
1 【3人以上話せない発達障害】4つの理由
1 脳の処理が追い付かなくなるから
「会話」をしている時、脳はフル回転しています。
「相手の話を聞く」「相手の表情を見る」「自分がどう思うのか考える」「どう表現するか考える」「口に出す」「さらに相手の反応をキャッチする」ということを脳が素早く処理しているのです。
会話というのは、紙に書いたものと違い、残ることがなくどんどん流れて消えていきます。
だから、記憶にとどめておかなければいけませんし、大変な作業量とスピードが必要なのです。
1対1の場合では、注意を払うのは目の前の1人だけです。
しかし、3人以上になると、数倍情報量が増えます。
会話内容、それぞれの意見や感想、それぞれの反応の量が増えますし、人数が増えれば増えるほど、会話の方向性が突然変わることも多いです。
あまりの情報量に脳の処理が追い付かなくなってしまうのです。
そのため、言おうと思った時にはすでに話題が変わってしまっていたりして、会話に入れなくなってしまうのです。
2 集中できないから
発達障害の子(人)の中には、聴覚過敏があったり、特性で気が散りやすい場合があります。
そういった特性がある場合、周りが気になり会話に集中できません。
会話に集中したくても、まわりの雑音が一緒に耳に入り、相手の話が聞き取りにくいです。
3人以上になると、いつ誰が話すのか分からないため、余計に話が聞き取れません。
気が散りやすい特性を持っていると、目に入ったものが邪魔してしまい、会話が分からなくなってしまうのです。
会話はどんどん進んでいくため、途中で会話内容を見失ってしまうと、何を話しているのか、何が面白いのかが分からず、ただただ困惑してしまうことになってしまうのです。
3 枠組みがないから
発達障害の子(人)は、パターン化されたことは得意でも「自由」が苦手な子(人)場合が多いです。
パターン化されたものは、何をどうすれば良いのかが決まっています。
でも「自由」というのは、決まりや枠組みがありません。
選択肢が豊富にあります。
発達障害の子(人)は、たくさんの選択肢の中から選ぶということがとても難しいです。
どうすれば良いのか分かりません。
そのため、何か決まったテーマがあり、そのことについて話す場合でしたら、明確で分かりやすくそれほど苦労しません。
しかし、そういった枠組みのない会話、特に「雑談」の場合、決まりはありませんし、突然話題も変わり、情報処理が複雑になります。
枠組みのない自由な会話では、流れについていけず、相手の反応にも上手く対応できなくなってしまうのです。
4 周りの反応を気にしすぎるから
発達障害の子(人)の中でも、特に、過去に対人関係でネガティブな反応を多く受けた場合や対人関係に苦手意識がある場合に多いです。
小さい頃は積極奇異タイプで、人見知りもせず、誰とでも気軽に話せていたという発達障害の子(人)も多いです。
しかし、たくさん話していた発達障害の子(人)も、実は相手の気持ちを想像することが苦手だったり、衝動性で自分の話ばかりしてしまうこともよくあります。
小さい頃は、それでも大丈夫ですが、周りの同級生が成長するにつれ、発達障害の子(人)の言動を不快に感じていくことが多くなります。
それまで楽しく話していたのに、自分の話すことが人を不快にさせたり、話が上手く通じないことが多くなると、話すことが好きだった発達障害の子(人)もだんだん会話が怖くなり、周りの反応を気にしすぎるようになってしまいます。
「自分がこう言ったら相手は不快に思わせるかもしれない」「こんなこと言ったら嫌われるのではないか」と不安に思ってしまいます。
どう思われるのか相手の反応ばかり気になると、何を言えば良いのか分からなくなってしまうのです。
人数が増えれば増えるほど、その人数分の考えや反応があります。
そのため、1対1なら相手に合わせることでなんとかしのいでも、3人以上の人数になると、それぞれの考えがあるので、1つに合わせることもできず、考えすぎて怖くなって会話に入れなくなってしまいます。
2 【3人以上話せない発達障害】4つの対策
1 無理に話そうとしない
無理に話そうとすると、ストレスが多くて後からぐったりしてしまいます。
話そうとするのではなく、聞き役になりましょう。
- 「うんうん」
- 「へ~」
という相づちを打ちながら聞きます。
相づちを打ちながら話を聞くと、話をしている人は嬉しくなり会話が盛り上がります。
積極的に聞き役に徹すると色んな発見があります。
「相手のことを知る」「何か新しいものを発見しよう」
という気持ちでいるとしんどい会話も視点が変わって少し楽しくなりますよ。
できそうなら、リアクションや一言コメントも付け加えてみましょう。
- 「それはいいですね」
- 「すごいですね」
- 「面白いですね」
- 「初めて聞きました」
こういったひと言をつけると、会話がはずみます。
「会話しなきゃ」「何か自分も話さないと」と考えるとしんどくなります。
肩に力が入り、変な緊張感を持ってしまいます。
「会話しなきゃ」と思わないようになると、緊張感が取れ、自分に意識が向かなくなるので、周りのことも良く見えるようになります。
そうすれば、以前よりも会話を楽しめるようになりますよ。
2 隣の人と話す
大勢でいる場合、無理にみんなの会話に入るのではなく、隣の人と話すようにします。
3人以上の会話では、ついていけず、考えているうちにどんどん進んでいくことが多いです。
でも、1対1なら相手だけに集中すれば良いですし、相手も自分にだけ話すので分かりやすいです。
3 無理せず断る
しんどい時は、断る勇気を持ちましょう。
発達障害の子(人)は、とても真面目な子(人)が多いです。
頑張り屋さんが多いです。
無理に集団に合わせて疲れすぎてストレスでパンクしてしまわないように、疲れていると感じたら無理せず断りましょう。
無理を重ねたら、パンクしてしまい、3人以上の会話が苦痛でたまらなくなってしまいます。
自分で自分を上手く扱うためにも、疲れているなら無理せず断ることは大切です。
4 自分を認める
相手の反応を気にしすぎてしまっている場合、基準が相手になっています。
1対1の会話なら、目の前の1人の人に合わせれば良いので簡単ですが、大勢の場合、誰に合わせれば良いのか分からず、会話できません。
相手を基準にするのをやめましょう。
相手の反応を気にしすぎるのをやめましょう。
相手を通した自分ではなく、自分で自分を認めます。
人は色んなことを思います。
1人1人それぞれ感じ方も違いますし、思いも違いますし、考えは違います。
当たり前のことですが、人への反応を気にしすぎている時、このことが抜け落ちています。
相手(人)がどう思っても、自分に変わりはないということを認識しましょう。
「自分で自分を認める」これができれば、相手の反応を気にしすぎることはなくなり、会話での不安は軽減します。
会話のストレスが減ると、今よりもずいぶん楽になりますよ。
3 発達障害の子(人)におすすめの会話ができるようになる本
発達障害の子供向けには、こちらの本がおすすめです。
発達障害の子供は、会話でのルール自体がよく分かっていないことが多いです。
そのために、うまく会話できなかったり、勘違いされてしまうこともよくあります。
この本では、みんなが当たり前に知っている「会話」のことを、具体的に理由も添えて説明されています。
イラストがついているので、視覚的にも分かりやすくなっています。
また、文字にはルビがふってありますよ。
※この本について詳しく知りたい人はこちらの記事をお読みください
買って良かった「なぜなぜ会話ルールブック」【発達障害の子と親必見!】
中学生以上から大人の発達障害向けには、こちらの本がおすすめです。
漫画で解説されているので、とても分かりやすいです。
また、読んで終わりになるのではなく、役立つワークシートが付いています。
手と頭を動かしてワークをすることで、より理解ができて実生活に活用できますよ。
※この本について詳しく知りたい人はこちらの記事をお読みください
「みるみる会話力がつくノート」で会話が楽になる【発達障害のある人必見】最後に
3人以上の会話でも、こうしなきゃと思わず、自分ができる範囲で心がけると決めるだけでも気持ちが楽になりますよ。
では、今回の記事をまとめます。
1 3人以上話せない発達障害の4つの理由
- 脳の処理が追い付かなくなるから
- 集中できないから
- 枠組みがないから
- 周りの反応を気にしすぎるから
2 3人以上話せない発達障害の4つの対策
- 無理に話そうとしない
- 隣の人と話す
- 無理せず断る
- 自分を認める
3 発達障害の子(人)におすすめの会話ができるようになる本
【発達障害の子におすすめ】『絵でわかる なぜなぜ会話ルールブック』
まずは、自分ができる範囲で取り組んでみて下さいね。
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