「療育って何?」
「療育は受けた方が良いの?」
「療育を受けなかったらどうなるの?」
「療育を勧められたけど、何をするの?」
こんな悩みにお答えします。
・本記事の内容
・療育についての基礎知識
・我が家の体験談から「療育で良かったこと」
・我が家の体験談から「療育でいまいちだったこと」
・療育は受けた方が良いのかどうか
療育は健診や園で勧められた場合もあれば、自ら療育を希望して行く場合があります。
どの場合も、初めてのことだと「療育」の様子や効果も気になりますよね。
今回は「療育」についての我が家の体験談を元にご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
1 療育とは?
「療育」というのは、もともとは肢体不自由のある子供の自立を目標に「治療(医療)」と「教育」を合わせた取り組みを表した用語でした。
今は、幅広い意味で使われおり、必ずしも「治療(医療)」を含んでいる必要はありません。
対象の子供も、肢体不自由のある子供だけでなく、知的障害、発達障害の子供や発達に心配のある子供と広い範囲になっています。
療育では、障害のある全ての子供の状態や特性に合わせて、子供が生活上困っていることを軽減し、社会で生きる術を身に付けることを目指します。
療育を受けられる場所は、療育センターや療育機関、医療機関、児童発達支援があります。
特に専門的な療育を受けることができるのは、療育センターや療育機関、医療機関での療育です。
やり方は、「療育」をしている機関・施設によって異なります。
また、子供の特性によっても異なります。
個別療育や集団療育の場合もありますし、支援で用いる方法も「作業療法」「TEACCH」「感覚統合」「理学療法」「認知行動療法」「ABA応用行動分析」などさまざまです。
「療育」では、親自身も子供の特性や適した接し方を学ぶことができます。
家庭でも「療育」を活かすことで、子供に合った環境を作ることができるのです。
間違えやすいのですが、「療育」へ通うことは「普通の子」を目指すことではありません。
訓練して、みんなに追いつくことを目指すのではありません。
子供の困り感を軽減し、スキルを学び、子供自身の力を発揮できるように支援するのです。
よく「早期療育」が良いと言われていますが、それは、子供の特性を知らず、不適切な対応や環境を子供に強いていると子供の力を発揮できず、困り感は大きくなり、親子で苦しい思いをしてしまうからです。
なるべく早い時期から子供の特性を知り、子供に合った環境や対応をすることで心身が安定し、子供が持っている力を伸ばしていける可能性を広げることができるのです。
我が子が療育へ行くことになったのは、親である私がたまたま自治体に専門療育機関があることを知り、申し込みをしたことがきっかけでした。
申し込みをしましたが、療育待ちの人が多く、実際に療育を受けることができたのは1年以上先でした。
順番がきて療育を受けられる連絡が来た時は嬉しかったです。
私が受けた療育は、月に2回の親子通園と月1回の保護者研修があるものでした。
月に2回の親子通園では、マンツーマンの個別療育で、保護者が様子を見ます。
子供の状態を評価してアセスメントを行い、困り感の軽減も考慮して支援計画が立てられ、それを元にスキルを身に付けていきました。
月に1回の保護者研修では、自閉症スペクトラムの特性と対応の仕方について学びました。
療育で良かったことは、4つあります。
1 発達障害の子供の特性について理解が深まる
我が子は、自閉症スペクトラムですが、場面緘黙もありどちらかというと「受動型」です。
この頃は、特に外世界への恐怖心や不安も大きく、自閉していることも多かったのか聞けば答えるけど、自分からの発信は少なかったです。
そのため、子供のことが分からず、ずいぶん悩みました。
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発達障害について本を読んだりネットで調べたりしていましたが、我が子に当てはまることもあれば違うこともあり、全体的にはピンときませんでした。
でも、「療育」を受けたことで、子供の特性が少しずつ具体的に分かることができました。
こういう行動にはこういう理由があるということも教えてもらえたので、それを元に観察すると「なるほど」と納得することも多かったです。
具体的に教えてもらうことができたので、子供の特性への理解が深まり、良かったです。
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2 子供への対応の仕方が分かる
我が子が受けた「療育」では、「TEACCH」をベースにしていました。
そのおかげで、スケジュールや構造化、ワークシステムについて知ることができました。
構造化やワークシステム、スケジュールは、子供が安心・安定して日常生活を過ごすための手助けになりました。
また、子供の特性への理解ができると、子供に適した対応の仕方が分かるようになりました。
それまで子供のことが分からず自分本位な対応や一般的に子育てで良いと言われる方法での対応でした。
でも、我が子に適した対応の仕方ができるようになると、子供も心を開いていき、少しずつ心がつながれるようになりました。
3 専門知識がある人に相談できる
「療育」を受けることができる施設では、発達障害の専門知識を持っているスタッフがいます。
子育ての相談をしようと思っても、特性の理解がない人に相談すると正直子供に合わない答えが返ってきます。
発達障害の子供は、健常児とは違う発達の仕方をするので、一般的なアドバイスがためにならないことがよくあります。
そのため、相談できる人というのはとても限られます。
相談しても分かってもらえないと、モヤモヤしたり心が重くなります。
孤独な気持ちになりやすい発達障害児の子育てでは、発達障害の専門知識がある人の存在は大きいです。
相談できる人がいるという事実だけでも大きな安心感になります。
4 子供自身が安心して人と関わってもらえる
我が子が受けた「療育」は、個別療育でした。
同じ時間では我が子以外に1人いましたが、基本的に先生と子供のマンツーマンでした。
そのおかげで、我が子は安心して人と関わってもらう経験を積むことができました。
我が子は、人が怖く、人数が増えれば増えるほど苦手です。
でも、「療育」先では、マンツーマンだったので、少しずつコミュニケーションを取れるようになりました。
専門知識を持っているスタッフなので、子供への対応も基本的には適した対応をしてくれます。
そのおかげで、少しずつ心を開くことができるようになりました。
3 療育でいまいちだったこと【体験談より】
「療育」を受けて良かったことはいろいろありました。
一方、いまいちだったと思ったことがあります。
それは・・・
1 ピンとこないスタッフもいる
「療育」機関の施設スタッフは、発達障害の専門知識を持っています。
でも、我が子が自分発信が苦手で分かりにくいタイプの発達障害のせいか、子供の状態を話したり、接し方を見てもピンときていなかったり、外しているなぁと感じるスタッフもいました。
相性の問題もあるのかもしれません。
話してもピンとこないスタッフと話すのは、消耗しますし、モヤモヤすることが多かったです。
2 メンバーによっては、子供が自分を出せない
人と関わることが好きな子なら良いのですが、我が子は人と関わるのに不安を持っている子です。
特に、自他の区別があいまいだったこともあり、時と場合によっては「見られる」だけでも「侵入感」を感じてダメでした。
発達障害の子供は、たいてい対人関係に苦手さを持っています。
そのため、グイグイくる発達障害の子供がいる場合、我が子は固まったり、自分を出せなくなることが多かったです。
発達障害の子供は対人関係が苦手な子が多いので、発達障害の子供同士は難しいなぁと感じる時もありました。
4 療育は受けた方が良い?
結論から先に言いますと、「療育」は受けることができるのなら受けた方が良いです。
療育にもいまいちな点もありましたが、それでも療育を受けて良かったと思う気持ちはそれ以上にあります。
やはり、子供のことが分かり、子供に合った環境や対応を学べる機会を持てるのは大きなメリットです。
また、特に専門的な「療育」は、受けられる機会は限られます。
就学前までが多いですし、就学してから受けれるところも低学年くらいまでの所が多いです。
基本的に小さい頃しか受けることができません。
とても貴重な機会なんです。
ただ、1つ注意しておきたいのは、「療育」は行けばなんとかなるものではありません。
「療育」の効果を発揮するには、「療育」で学んだことを家で実践することが大切です。
「療育」を受けて学び、それを日常生活で活かせば、子供はビックリするくらいの力を発揮できます。
発達障害の子供は「環境」によって大きく変わるからです。
そのことを知るためにも「療育」は受けることができれば受けることをお勧めします。
最後に
今は早期発見・早期療育が勧められているため、「療育」は人気で順番待ちしていることが多いです。
もし、「療育」を考えているのなら、早めに申し込みをしておく方が良いですよ。
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