「子供がささいなことで怖がるけど、どうして?」
「周りの子供よりも怖がりなんだけど、大丈夫?」
「怖がりすぎて、他の子と違う気がする。発達障害???」
こんな悩みにお答えします。
・本記事の内容
・一般的な子供が怖がる理由と発達障害の子供が怖がる理由
・怖がる子供への適した対応
子供がとても怖がりだと、親も心配になりますよね。
特に、同年齢の子供と比べてあまりに我が子が怖がりすぎることが多いと、なぜそんなにことに怖がるのか、何か問題があるのだろうか・・・と気になってしまいますよね。
なぜ怖がるのかの理由、怖がる子供への対応、気になる発達障害のことが分かれば何をどうすれば良いのか分かって、少し気持ちが楽になりますよ。
目次
1 一般的に子供が怖がる理由
子供は2歳頃まで怖がらないことが多いです。
成長するにつれて、親やまわりの反応や言動が引き金になって「怖さ」知ります。
親や周りが言うことや反応によって、「これは怖いものなのだ」と学習し、怖い感じるものが増えていくのです。
特に、
- 生き物に対して(蛇や犬、昆虫など)
- 環境に対して(暗い場所、高い場所)
- 外傷に対して(注射、血液など)
に対して、恐怖心を持ちやすいです。
これらのものに対し、例えば親が怖がったり、早く寝ない子供に対して「寝ないとお化けがでるよ」と言ったり、「怖いよ!」「危ないよ!」と言うことが多いと、子供は「怖い」をどんどん学習し、「怖い」ものが多くて怖がり屋さんになってしまいます。
もちろん、生命にかかわるような必要な「危険なこと」は教える必要はあります。
ただ、感受性が強い子供、繊細な子供の場合、刺激を大きく感じやすいです。
そんな感受性が強い子供や繊細な子供には、特に気を付けてあげたいです。
怖く思うようなきっかけになる機会をなるべく少なくしてあげたほうが、安心できます。
また、色々な子供がいますが、子供の中でも、極端に怖がりな子もいます。
その場合、発達障害の可能性があります。
次に、発達障害の子供の場合の「怖がり」について説明します。
2 発達障害の子供が怖がる理由
発達障害といっても、ひと括りにできるものではなく、十人十色、その特性はそれぞれ違います。
みんながみんな当てはまる訳ではありませんが、発達障害の子供は「怖がる」ことは多いです。
しかも、とても強く。
それには、大きく2つの理由があります。
1 感覚過敏のため
発達障害の子供は、感覚が非常に敏感な「感覚過敏」のことが多いです。
聴覚、視覚、触覚、味覚、嗅覚や前庭感覚などが一般の人が感じるよりも大きく感じます。
例えば、
- 聴覚:普通の音が耳をふさぎたくなる大きな音に聞こえる
- 視覚:光が異常にまぶしく感じる
- 触覚:触れられることが、耐えられないほど不快に感じる
- 味覚:口の中が過敏で、食感や味、温度などの刺激が強く感じて偏食になる
- 嗅覚:匂いに敏感で、吐き気や頭痛を起こすことも
- 前庭感覚:過敏の場合、重力不安を持ち、ブランコやすべり台を怖がる
このような過敏さを持っていると、一般的な人以上のことを感じます。
そのため、安心感を持ちにくく、不安が高くなり、怖くなります。
2 恐怖麻痺反射の残存のため
また、発達障害の子供は、恐怖麻痺反射が残ってるいることが多いです。
一般的には生後数か月で統合(卒業)されるが、統合(卒業)できないと感覚過敏や引っ込み思案、極度な不安を持ちやすくなります。
この恐怖麻痺反射が残っていると、「不安や恐怖を常に感じている」状態になってしまいます。
そのために、発達障害の子供の中でよくみられる行動は、
- 耳をふさぐ
- 暗い場所を怖がる
- 新しい場所を怖がる
- 揺れる場所を怖がる(ブランコなど)
- 高い場所を怖がる
- 触れられることを嫌がる
- 歯磨きや耳かきを嫌がる
- 土や粘土を触るのを嫌がる
- 特定の服しか着たがらない
といったことがあります。
3 一般的な子供の「怖がり」への対応
1 気持ちを受け止める
怖がる子供に対して、「怖いことなんてない!」「そんな弱虫じゃダメだろう」と批判しないようにしましょう。
批判すればするほど、子供は自分に対して自信がなくなってしまいます。
子供の「怖い」と感じる気持ちは受け止めることが大切です。
2 本当のことを教える
子供は大人と違って経験が足りません。
そのために、思いもかけない想像をして怖がっている場合があります。
本当はこうなんだよということを具体的に説明して教えてあげると、安心できます。
3 怖がる機会を作らないようにする
怖がる機会があればあるほど、学習して「怖いもの」が多くなってしまいます。
できる限る怖がる機会を作らないようにしましょう。
例えば、「お化け」の話や「悪いことをしたら鬼がくる」といったことを言わないようにします。
また、子供に話す時は「○○しないと○○になるよ」と否定形ではなく、「○○すると○○になるよ」と肯定的に伝えることも大切です。
「○○しないと○○になるよ」とネガティブな言い方をすると、怖がりな子供は、余計に恐怖を感じてしまい、萎縮してしまいます。
同じ意味のことを言っても、伝え方で感じ方は正反対になってしまいます。
怖がりな子供には、できるだけ肯定的に伝えましょう。
安心できて、元気になれるので、多少の怖いことも乗り越えるパワーができます。
4 恐怖との付き合い方を学ぶ
子供が大きい場合、恐怖との付き合い方を学ぶことも大切です。
例えば、夜が怖くて眠れない子の場合、こちらのワークブックがおすすめです。
子供だけで取り組むこともできますが、親子で一緒に読みながらワークをすると、子供にあう乗り越え方を学ぶことができて良いですよ。
また、怖がりの子供の中には、不安が高く、心配ばかりしてしまう子も多いです。
そんな子には、こちらの本もおすすめですよ。
怖くなって、心配なことがでてきても、そのことを扱えるようになるので、自信になりますよ。
生きる力にもなって良いですよ。
4 発達障害の子供の場合の「怖がり」への対応
発達障害の子供の場合、上にある「一般的な子供の『怖がり』への対応に加えて、感覚統合運動や恐怖麻痺反射(原始反射)の統合の運動をすると良いです。
感覚統合運動では、体を動かす遊びをすることで、いろんな感覚の刺激を体(脳)に入れます。
楽しく遊びながら刺激を脳に入れることで、脳の感覚処理機能が良くなっていきます。
そうすると、感覚への感じ方が変わり、不安が軽減し、「怖い」と感じることが少なくなります。
また、残っている恐怖麻痺反射(原始反射)を統合のための運動をすることで、感覚過敏も良くなりますし、自分の体を思うように動かせるようになるので、困りごとが少なくなります。
不安もそれまでよりも少なくなり、「怖い」と思うこともそれまでより少なくなります。
最後に
今回の記事をまとめますと、
1 一般的に子供が怖がる理由
親やまわりの環境や言動がきっかけになることが多い。
例)寝ない子供へ「早く寝ないとお化けが出るよ」
親が虫を怖がる
2 発達障害の子供が怖がる理由
「感覚過敏」「恐怖麻痺反射が統合していない」ことによる。
3 一般的な子供の「怖がり」への対応
- 気持ちを受け止める
- 本当のことを教える
- 怖がる機会を作らないようにする
- 恐怖との付き合い方を学ぶ
4 発達障害の子供の場合の「怖がり」への対応
- 感覚統合運動
- 恐怖麻痺反射(原始反射)の統合の運動
子供が怖がる状態は、子供の個性と状態と環境によって大きく変わります。
今たとえ怖がりでも、怖いと思う機会を減らし、安心安全な場所や時間を心がけてあげる
実際、小さい頃はあんなに怖がりで大変だったのに、大きくなればしっかりしたお兄さん、お姉さんに成長したということも多いです。
怖がりの子供というのは、慎重な子供でもあるので、じっくりしっかりと学び取っていく子でもあるのかもしれません。
ただ、注意したいのは、子供が極端に怖がり屋さんの場合です。
その場合は、発達障害の可能性があります。
発達障害でしたら、怖がりということだけでなく、子供自身が困っていることが他にもいろいろあるでしょう。
発達障害は、一般的なやり方では学びにくいことが多いです。
発達障害だから学べない訳ではありません。
できない訳ではありません。
一般的なやり方は合わないことが多いですが、発達障害の子には発達障害の子に合うやり方というものがあります。
発達障害の子供にあったやり方と環境を整えてあげると、しっかり学べ、どんどん成長していけます。
親の勘というのは、結構当たります。
もし、子供が発達障害かも・・・と気になっているのなら、相談してみることをおすすめします。
相談機関については、こちらの記事に書いてありますよ。
発達が気になる子供の相談機関のまとめと相談例【我が家の体験談】
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