発達障害の子供、特に受動型の発達障害の子は、主体性がない子が多いです。
発達障害の子供が自己主張できない様子を見ると、親としてはとても心配になりますよね。
なぜ、自己主張できないのか、主体性がないために起こる困ったこととは、そして、自己主張できる主体性を持つためにできる方法を紹介したいと思います。
目次
1 なぜ発達障害の子供(特に受動型)は自己主張できないのか
自己主張をするために必要なのは、自分の思い、自分の考えです。
発達障害の子供の中で、「自分」のことがよく分からない子は多いです。
それは、程度の差はありますが、「他者」の存在があまりないことによります。
「他者」をしっかり認識できないために、自他の区別がつきにくいのです、
他者がいることで、初めて自分という存在が立つのです。
その他者の存在がいないか、いても薄い場合、自分自身のことも不確かであまり分かりません。
自分が分からない状態なのです。
自己がしっかりと認識できていないので、自己主張しようにもできないのです。
自分のことを知るには、他者が必要ですし、その上で自分の気持ち、心を見て自分を知る必要があるのです。
2 発達障害の子供が主体性がないために起こりやすいこと
「自分」が分からず、主体性がない発達障害の子供は一見ただのおとなしい子、無口な子としか見えません。
また、周りに合わせて動くことができ、大きなトラブルもないので、大丈夫だと周りは思いがちです。
しかし、「自分」がないために、自己主張ができないために、人のいいなりになりやすく、人と対等な関係を築くことが難しくなります。
楽しく遊んでいるように見えても、主従関係になってしまいます。
発達障害の子供は友達と関わって遊んでいること事体が嬉しく、主従関係で対等ではない不自然な関係性でも不自然だと捉えにくく、その関係性を維持しようとしがちです。
そのため、さらに主従関係が強化されてしまいがちです。
また、「自分」がないためにその場にいる「相手や周り」を基準に言動してしまいやすいです。
そのため、こっちでは○○と言い、あっちでは△△、この間は□□・・・と言動に一貫性がなくなり、周りの人からの信頼を欠いてしまいます。
また、自分で考えて行動することが苦手なために、指示がなければどうすれば良いのか分からなくなって動けない、指示待ち人間になってしまいます。
これは、特に大人になって仕事をする時に困ります。
そして、断ることも苦手なので、大人になってからマルチや望まない高額商品を買ってしまったり、性被害者にも合いやすくなってしまいます。
子供の時はなんとかなったとしても、大人になると自己責任が伴うので、自我が弱い発達障害は困り感やトラブルに合いやすくなってしまいます。
3 発達障害の子供が自己主張できる主体性(自分)を作る方法
主体性がなく自己主張できないままでいると、これからもっと困っていきます。
自己主張できる主体性(自分)を作っていきましょう。
その方法は2つあります。
1 子供と親のことを話す
「あなたは○○だね。」
「ママは□□だ。」
「パパは△△だね。」
これは、例えば
「あなたは、猫が好きだね」
「ママは、ウサギが好き」
「パパは、犬が好きだね」
というように、子供自身のことを話し、また親自身のことも比較して話します。
他者がいない発達障害の子供は、他者の視点が持てず、自分のことを客観的に見ることができません。
そのため、それを補う手助けを親がしてあげるのです。
これを続けていくと、自分のことを意識できますし、だんだん分かってきます。
また、親自身のことを言うことで、他者のことも認識し、「自分とは違う」ことも少しづつ学習できます。
2 選ばせる
「これとこれ、どっちにする?」
と選択肢を用意して選ぶ練習をします。
選ぶのが苦手な発達障害の子供は多いです。
「選ぶ」ということは、「自分の心を見る」ということです。
「自分の心を見る」ことで「自分を知る」ことができるようになり、それが自己主張、主体性の元になるのです。
ただ、自分のことが分からないとそもそも選ぼうにもよく分からず選べません。
また、それだけでなく、それ自身に興味がないこともありますし、選ぶ基準が分からない場合もあります。
そのため、子供がもし選べないようでしたら、親が「私はこれにする。なぜなら○○だから」と理由をつけて話します。
そうすることで、人が選ぶ理由や根拠の情報が手に入ります。
それが積み重なれば自分で考えて選ぶための手助けになります。
どっちにするか選ぶのは、日常で行えます。
例えば・・・
「朝ごはんは、パンにする?おにぎりにする?」
「今日の服はこのスカートにする?ズボンにする?」
「今日のおやつは、チョコレートにする?おせんべいにする?」
「今日の絵本は○○にする?△△にする?」
このように、いろいろ使う機会はありますね。
理由については例えば・・・
「ママは朝ごはん、お味噌汁も飲みたいからおにぎりにするわ」
「ママは今日は公園に行くから動きやすいズボンにするわ」
「ママはお腹がすいて甘いものが欲しいからチョコレートにするわ」
という風にいうと良いですよ。
最後に
この取り組みは、日常生活で地道にやるのみです。
我が子も、自分で決めるのが苦手で、選ぶ時に考えるのがすごくしんどそうでした。
でも、日常的にコツコツ取り組んでいると、気が付けば子供が2つ以上のたくさんの選択肢があっても、自信をもって選べるようになりました。
選ぶことがスムーズにできるようなれば、子供に選んだ理由も質問してください。
理由を言うことは、相手に気持ち伝える練習にもなり、コミュニケーションにとても役立ちますよ。
焦らず、日常生活で取り組んでみて下さいね。
コメントを残す